東京, 5月22日, /AJMEDIA/
先に手をつき、じっと待つ。勝負を急ぐことも、立ち遅れて慌てることもない。大の里はもろ手で伯桜鵬を起こすと、さっと体を開いてはたき込み。狙い澄ましたような動きで、相手を土俵下まで勢いよく転がした。
立ち合いで圧力を十分に伝えたからこそ、難なく料理できた。本人は「落ち着いて取れた」と涼しい顔。綱とり場所が終盤を迎えても、動きに硬さは見られない。
無傷の12連勝。ただ一人の2敗だった豊昇龍が結びで敗れ、13日目にも大の里の優勝の可能性が出てきた。琴桜との大関対決に勝てば、4度目の賜杯を抱く。13日目に決めれば、2015年初場所の白鵬(現宮城野親方)以来のスピードだ。
八角理事長(元横綱北勝海)は「落ち着いている」と心の内を読み、「勢いがあるうちに上がっておかないと」。横綱審議委員会の推薦内規では、大関で2場所連続優勝を原則とし、それに準ずる好成績の力士を推薦する場合は出席委員の3分の2以上の決議が必要になる。
最高位まで、あと1勝。大の里は「やるべきことをやって、頑張る」と泰然と構えた。