東京, 5月31日, /AJMEDIA/
格闘技イベント「RIZIN」を主催するドリームファクトリーワールドワイド(東京都港区)は5月31日、韓国・仁川のパラダイスシティで「RIZIN WORLD SERIES in KOREA」を開催する。
同大会は2023年11月にアゼルバイジャンで開催した「RIZIN LANDMARK 7 in Azerbaijan」に続く2回目の海外大会だ。韓国の複数の団体からの選手たちと、日本のRIZINファイターたちが日韓対抗戦を繰り広げる。
10周年を迎えたRIZINはドリームファクトリー「ワールドワイド」という社名の通り、2015年に「日本発で世界に通用するコンテンツ」を目指して旗揚げされた。
今回の会場は2000人規模の収容となるパラダイスシティ。セガサミーホールディングスと、韓国カジノ大手パラダイスによる合弁会社パラダイスセガサミーによる統合型リゾートの施設だ。そのパラダイスシティとの共同事業として開催するという。
RIZINが海外に進出していく道筋を、どう考えているのか。今回はペイ・パー・ビュー(PPV、有料コンテンツに料金を支払って視聴するシステム)ビジネスを、どう組み立てたのか。榊原信行CEO(榊は正確にはきへんに神)に聞いた。
●パラダイスシティとの共同事業 狙いは?
――世界展開の第2弾として開催する韓国大会ですが、どんなビジネスモデルになっているのですか?
韓国大会は、仁川国際空港の近くのパラダイスシティと組んで共同事業として開催します。
米ラスベガスで実施する大会に近いのかもしれませんが、パラダイスシティはRIZINというコンテンツを武器に、日本からカジノのハイローラー(高額でプレーする顧客)を誘客することが、メインのビジネス的な狙いになります。カジノプレーヤーと格闘技ファンには親和性があるからです。これはボクシングにしても(年間売上高が約2110億円の規模を誇る世界最大の格闘技団体)UFCにしても、ラスベガスでは皆そういうビジネスを手掛けています。
パラダイスシティはチケットを買い上げるなど、一定のパーセンテージで興行リスクを負います。一方でホテルの部屋の提供などもしてくれます。つまり日本のRIZINが来ることで、カジノプレーヤーを誘客できるのが、パラダイスシティのメリットになります。
――会場は2000人キャパということです。RIZINとしてはチケット代よりもPPVで稼ぐ形ですね?
日本国内でいうとPPVですね。もともと韓国では格闘技の人気はあるものの、チケット単価が3000〜5000円と、日本と比べると安いんですね。今回はパラダイスシティに興行を任せてしまっているので、観客が2000人であっても2万人であっても、われわれの収益は変わりません。
――リアル会場の方は、基本はパラダイスシティが仕切るということですね。
当初はチケットを日本国内や韓国のファンにも販売しようとしていました。ですが思った以上に人気が出てしまい、カジノのハイローラーたちと、その周辺の人でほぼ満席になってしまいました。わずかに日本のRIZINファンクラブの一部だけは、受け入れられました。