東京, 4月15日, /AJMEDIA/
氷で表面を覆われ、地下には海を持つとされる木星の衛星を観測し、地球外生命の手掛かりや生息可能な環境を探る欧州宇宙機関(ESA)主導の「木星氷衛星探査計画」(JUICE=ジュース)の探査機が14日午後9時14分(日本時間)、南米・フランス領ギアナのクールー宇宙基地からアリアン5ロケットで打ち上げられた。
当初は13日の予定だったが、雷の影響で延期されていた。打ち上げから約25分後にロケットから分離され、太陽電池パネルやアンテナなどを展開。約8年かけて木星を目指す。
観測対象は木星の四大衛星のうち、氷で覆われたエウロパ、ガニメデ、カリストの三つ。特にエウロパ、ガニメデは地下に大量の水を保持する海の存在が確実視され、生命を育む環境が現在も維持されている可能性が期待されている。
2031年7月に木星周回軌道に到達後、三つの衛星を繰り返し観測。34年12月に、最終目標のガニメデ周回軌道に投入される。ガニメデでは約9カ月間、観測を行い、最後は表面に衝突して探査を終える計画だ。
探査機本体の開発と打ち上げは欧州主導だが、10の観測機器のうち四つで、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と情報通信研究機構(NICT)が開発に協力し、計6種類の機器による観測データの分析に日本人研究者が参加。ガニメデなど木星の衛星の地下海に、水や有機物、エネルギーといった生命の存在可能な条件が整っているかなどを詳しく調べる。