東京, 1月3日, /AJMEDIA/
2025年大阪・関西万博の開幕まで3日で100日。出展する企業や学識経験者らは、医療や人工知能(AI)といった分野の最先端技術を披露するための準備を進めており、「希望が持てる未来の社会を示したい」と意気込む。約160の参加国・地域も、自国文化の発信や日本との経済交流の強化に努めようと、さまざまな展示を計画している。
◇未来の医療、子どもたちに
会場の象徴となる世界最大級の木造建築「大屋根リング」は、既に一つの円としてつながり、その外側には日本国内の企業や自治体、内側には海外などのパビリオンが立ち並ぶ予定だ。
人材大手のパソナグループは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を活用した「iPS心臓」を展示の目玉に掲げる。重い心臓病患者への移植が将来的な治療法として期待され、来場者は本物の心臓のように拍動する様子を見ることができる。次世代の移動手段として注目される「空飛ぶクルマ」や、超小型ロボットなどの技術を用いて、へき地での遠隔医療を可能にする「未来の医療」を紹介するゾーンも設ける。
館内で案内役を務めるのは、人気アニメ「鉄腕アトム」「ブラック・ジャック」のキャラクター。担当者は「子どもたちが医療の分野で活躍したいと志したり、未来に夢や希望を持って取り組んだりしてもらえたらうれしい」と話す。
◇ロボットと共生
会場中央には、万博の主題「いのち輝く未来社会のデザイン」を8人の著名人がそれぞれ表現するテーマ館も。ロボット研究の第一人者である石黒浩・大阪大教授がプロデューサーを務めるパビリオンのコンセプトは「いのちの未来」で、多くのアンドロイド(人型ロボット)やAIが活躍する。
「50年後の社会」を題材にしたブースでは、アンドロイドを含め約50体のロボットが登場し、移動手段や暮らしぶりを表現。来場者は場内のシアター映像とともに楽しめる。さらに、複数のアーティストらが1000年後を描くブースも計画している。
「日本の人口は減っていくが、ロボットやアバター(分身)がいれば寂しくない。そういう世界をつくりたい」。昨年12月、万博の機運醸成事業の一環で東京都内の学校で出前授業を行った際、石黒氏は生徒たちにこう訴え掛けた。