東京, 11月23日, /AJMEDIA/
最先端の科学技術を学べる「日本科学未来館」が、常設の展示を7年ぶりに大規模リニューアルしました。
新たな展示テーマの1つは「老い」。
科学技術を駆使してどう「老い」と向き合うのか、22日から一般への公開が始まりました。
老いるとどうなる?科学技術で体験
新設された展示の中でひときわ目を引くのが「老」。
老いるとどうなるのかを体験できる展示です。
「筋力の低下」を疑似体験できるコーナーでは、5キロのおもりを両足につけます。そして、大型モニターに映し出されたバーチャルの世界で、100メートルあまり先の坂の上にあるスーパーを目指しますが…。
体が思うように動かず歩行者にぶつかったり、車に警笛を鳴らされたりしてしまう様子を疑似体験できます。
「耳の老化」のコーナーでは、「サトウさん」と呼ばれたらボタンを押すというゲームで聞こえ方がどう変わるのかを体験できます。高齢者は高い音域が聞こえにくくなり、「サトウさん」なのか「カトウさん」なのか、判断しづらくなります。
館長「高齢化の課題 科学技術使って乗り越える」
日本科学未来館 浅川智恵子館長
浅川智恵子館長も「科学館としては珍しいテーマ」だと認めます。
誰もが直面する「老い」も科学技術の力を使って乗り越えていけるという信念があります。
日本科学未来館 浅川智恵子館長
「老いというものは決してネガティブなものではないということ、老いをポジティブに捉えて生きていくことによって社会を変えていくことができる。超高齢社会を迎えているこの日本が、高齢化という課題を科学技術を使って乗り越え、強みにすることによって突破口を開けるのではないかと思います」
「老い」「ロボット」「地球環境」の3テーマ
「老い」のほか「ロボット」「地球環境」3つのテーマで合わせて4つの新たな展示が設けられています。
「地球環境」についての展示では、二酸化炭素の排出量の違いで2100年には海面がどのように上昇するのかをAR=拡張現実で体験することができます。
日本科学未来館 浅川智恵子館長
「未来の社会課題を自分ごととして考える第一歩になることを目指して制作しました。一つ一つの展示を体験して未来を思い描き、自分の未来を考えるきっかけにしていただきたい」
日本科学未来館とは
東京 江東区の日本科学未来館は科学技術への理解を深めようと、2001年に設置されました。2014には当時のオバマ大統領が訪問するなど、外国からの要人も数多く訪れています。
初代館長は、日本人宇宙飛行士として初めてスペースシャトルに乗り込んだ毛利衛さんで、市民と研究者らを結ぶ「科学コミュニケーター」を数多く育成するなど科学の魅力の発信に努めました。