東京, 9月7日, /AJMEDIA/
優れた報道に贈られる今年度の新聞協会賞に、東京の精神科病院での患者に対する虐待の内部映像や音声を入手し、違法な身体拘束など日本の精神医療が抱える問題を伝えたNHKのスクープなどが選ばれました。
NHKは、東京 八王子市の精神科病院「滝山病院」で看護師らが患者を暴行する内部映像や音声を入手し、警察の捜索や都の立ち入りを報じたほか、ETV特集「ルポ死亡退院~精神医療・闇の実態~」などことし2月から6月にかけて一連のニュースや番組で伝えました。
関係者の証言や入手した患者のリストをもとに自治体などにも取材を広げ、調査報道によって違法な身体拘束や入院患者のおよそ8割が死亡退院している事実などを突き止め日本の精神医療が抱える問題を明らかにしました。
授賞の理由について日本新聞協会は「閉鎖空間に置かれた患者の苦しみを可視化し、日本の精神医療が抱える構造的な課題をあぶり出した調査報道だ」としています。
新聞協会賞は、このほか
▽海外で行われた日本人の患者への臓器売買の実態を伝えた読売新聞社の報道
▽神戸連続児童殺傷事件の記録を裁判所がすべて廃棄していた事実を明らかにした神戸新聞社の報道
▽沖縄県 渡嘉敷島の集団自決の生存者の姿や思いを写真で伝えた毎日新聞社の報道
▽被差別部落出身の若手記者が部落問題を中心に現代の人権問題を伝えた西日本新聞社の企画報道が選ばれました。
授賞式は来月18日に、長野県で開かれる新聞大会で行われます。