弥生時代の銅鐸の音色は? 初の完全再現実験

東京, 1月29日, /AJMEDIA/

長野県の遺跡から出土したおよそ2000年前の弥生時代中期の銅鐸の破片をもとに、当時の形や材質を忠実に復元し、どのような音が鳴っていたのか調べる実験が富山県で行われました。専門家は、銅鐸の形や材質が音色にどう影響するのか今後、分析することにしています。
※「銅鐸の音」は記事冒頭の動画で聞くことができます。

長野県中野市にある柳沢遺跡では弥生時代中期、およそ2000年前の5つの銅鐸が見つかっていて、いずれも国の重要文化財に指定されています。

富山県の高岡市美術館の村上隆館長は、市内の企業や職人と協力し、出土した銅鐸の破片をもとに当時の形や材質を忠実に復元した大小2つの銅鐸を制作しました。

古い時期の銅鐸は中にある棒をたたき音を鳴らしていたと考えられていて、29日は当時の響きを正確に再現し音声データを収録する実験が富山県南砺市にある県の研究所で行われました。

手では同じ強さでたたくことができないため実験では特殊な装置を使っていて、銅鐸をたたくと、うねりを伴った澄んだ音色が響きわたりました。

村上館長によると忠実な復元による銅鐸の音色の再現実験は初めてだということです。

このほかにも、まわりにある「鰭(ひれ)」と呼ばれる装飾を取り払ったり、含まれる銅やスズの配合の比率を変えたりした銅鐸も用意され、合わせて音声データが収録されました。

今後、装飾の有無や材質の違いが音色にどう影響するのか分析するということです。

村上館長は「金属の遺物はさびたり割れたりして正確な姿が残りづらいのですが現代の科学技術で復元が可能になりました。弥生時代の人が聞いた銅鐸をリアルに追体験でき、研究を一歩進められたと感じています」と話していました。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts