東京, 12月8日, /AJMEDIA/
中国電力島根原発2号機(松江市)の安全対策工事は12回の延期の末、10月に完了した。地震や津波といった自然災害への対応から緊急時の電源確保、冷却機能を維持する設備の整備など64項目に及ぶ対策について、同原発の岩崎晃所長は「すべて丁寧に対応してきた」と胸を張る。
中国電は、耐震設計で想定される揺れ(基準地震動)を820ガル(加速度の単位)に引き上げたほか、津波に対する防波壁のかさ上げを行うなどした。
同社は再稼働を前にした2日、安全対策設備を報道陣に公開。原子炉につながる配管に、地震の揺れを軽減する装置53台を取り付けたほか、電源ケーブルは耐火材で覆ってあった。津波による浸水を防ぐための厚さ最大30センチの水密扉や、竜巻による飛来物侵入を防ぐ防護ネットも設けられていた。
重大事故が起きて外部電源などが使えないケースを想定し、ガスタービン発電機を高台に設置。冷却機能を確保するため送水車を配備し、注水ポンプと注水槽を新設した。建屋内の気密性を確保して放射性物質の拡散を抑える装置なども導入した。
東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)の運転を担う岩崎所長。「事故は起こさないと思った途端に進歩がなくなる。これからも何ができるかを考え続けたい」と気を引き締めた。