安全対策、急ピッチで実施 知床観光船事故受け―国交省

東京, 10月23日, /AJMEDIA/

 沈没した観光船「KAZU I(カズワン)」の運航会社「知床遊覧船」のずさんな安全管理体制は、国の不十分な制度やチェック機能の下で見過ごされていた。事故から半年。国土交通省は有識者らによる検討委員会で安全対策の見直し作業を急ぐ。新対策の一部は既にスタートし、法改正が必要なものは、年内に制度の詳細をまとめる方針だ。
 検討委は7月に公表した旅客船に対する安全対策の中間とりまとめで、47項目の必要な対策を挙げた。監査強化や行政指導の公表など14項目が9月末までに始まった。
 残り33項目には、不適格事業者排除のためのより強力な対策が含まれる。罰則に拘禁刑導入、事業許可の更新制、運航管理者の試験導入だ。海上運送法などの改正が必要なため、国交省は年内に制度を詰め、来年の通常国会に改正案を提出するとみられる。
 安全設備の更新も急務だ。同省は荒天時に水中に入らず乗り移ることが可能な「改良型救命いかだ」の開発をメーカーに依頼。来年の早い時期にも一部商品化できる見込みという。いかだの購入支援として20億円規模の補助金も用意する。
 47項目提示後も、ドライブレコーダーの設置義務化、行政処分の対象拡大など新しい施策を打ち出した。検討委は年内にとりまとめを出す予定だが、運輸安全委員会による調査の長期化が予想されるため、来年以降も安全対策につながる事実が判明すれば、検討委を開催する。

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