東京, 02月15 /AJMEDIA/
14日も全国的に暖かい空気が流れ込んで季節外れの気温となり、多くの地点で4月上旬から下旬並みの暖かさとなりました。
季節外れの暖かさが続く中、15日以降、地域によってはスギ花粉の飛散量が急に増える日がある見込みです。
日本気象協会 “東京や福岡 15日以降 飛散が急に増える日ある”
東京都が、都内で2月9日からスギ花粉が飛び始めたと発表するなど、各地で花粉の飛散が始まっています。
日本気象協会によりますと、14日は全国的に飛散量が少ない見込みですが、季節外れの暖かさが続き、今後も気温が高い日が続くことから、東京や福岡では、15日以降、飛散量が急に増える日がある見込みです。
15日からの6日間の花粉の飛散量の予測をみると、東京は、18日の日曜日にかけて「やや多い」の日が多く、19日と20日は「多い」となっています。
また、福岡は、15日と16日は「やや多い」で、17日の土曜日と18日の日曜日は「多い」となっています。
このほか、中国地方や四国の一部でも「やや多い」となる日がある見込みです。
1月18日時点の予測によりますと、東京や福岡など早いところでは2月下旬からスギ花粉の飛散のピークとなるとみられています。
晴れて気温が高い日や、空気が乾燥して風が強い日、それに雨上がりの翌日以降や、気温が高い日が2、3日続いたあとは、花粉が飛びやすく、春一番が吹くような風が強く、急に暖かくなる日は、飛散量が一気に増えてピークの時期が早まる可能性もあるということで、日本気象協会は、ピークを迎える前から花粉対策を心がけるよう呼びかけています。
花粉 街の人たちはどう感じている?
街ゆく人たちは、どう感じているのか。東京 原宿で聞きました。
都内に住む50代の男性
「ここ最近少しずつ花粉が飛んでいるなと感じています。目がかゆく、鼻水が出てきています」
40代の女性
「天気予報できょうは暖かくなると聞いたので、花粉症の薬を飲み、マスクを着用しています」
旅行で広島から来たという60代の女性
「3年前から花粉症です。その前から発症していた夫を笑っていましたが、いざ自分がなるとつらいです。鼻うがいなどをして対策しています」
花粉対策グッズ 去年より早く特設売り場
花粉の飛散が予測より早まりそうだという情報を受けて、東京 渋谷の大型雑貨店では、去年より1週間ほど早く、1月下旬に花粉対策グッズをそろえた特設売り場を設けました。
売り場には、外出時に目や鼻を守る眼鏡やマスクのほか、鼻うがい用の洗浄液、それに花粉が顔や髪につきにくくなるスプレーなど、およそ30種類の商品が並んでいます。
季節外れの暖かい日が続き、東京で花粉の飛散開始が発表される中、需要が高まっていて、2月11日までの1週間の売り上げが前の週より2割ほど増えたものもあるということです。
ロフト広報室 高橋ひとみさん
高橋ひとみさん
「気温が高くなるにつれて、花粉対策グッズの問い合わせなどが増えていて、眼鏡やスプレーなど手軽に使えて持ち運びできる商品の人気が高いです」
季節外れの暖かさ 花粉飛散への影響は
季節外れの暖かさは、スギ花粉の飛散にどのような影響を与えているのでしょうか。
花粉の飛散量を研究している、森林研究・整備機構森林総合研究所 植生管理研究室の倉本惠生室長に聞きました。
倉本惠生室長
「ことしは、シーズン全体の飛散量は、大変多かった去年と比べると少ないものの、飛散の開始時期は少し早くなるという予測だったが、地域によっては飛散開始が予測より少し早くなっているとみられる」
「シーズンを通した飛散量には、花の芽が作られる前の年の夏ごろの気象条件が大きく関わっているが、花粉の飛散がいつ始まるかは、冬の寒さがある程度続いたあと花が開く時期に、どれくらい暖かくなるかで決まるとされていて、最高気温が15度から20度くらいになるとスギ花粉の飛散量が多くなるという報告がある」
「ことしは、寒い日が続いたあとに急に気温が上がったので、もう咲く時期だと花芽が感知して開いてしまい、花粉の飛散が本格化するまでの期間が短くなるかもしれないので、早めの準備が大切だ」
花粉症の症状でクリニックを受診する人が増加
花粉症の治療を行っている東京 中央区の耳鼻咽喉科クリニックでは、今週になって花粉症の症状で受診をする人が増えています。
このクリニックは予約制で、毎年この時期になると花粉症の治療のため一日当たり10人の枠を確保していますが、1月中旬は多い日でも一日あたり5人ほどだった患者が、今週になって増え、すでに2月末まで予約枠が埋まっているということです。
目のかゆみや鼻水といった症状があり、花粉症かどうか検査するため受診した、埼玉県に住む23歳の女性は、「今月に入ってから鼻水が出るようになり、最近になって目のかゆみを感じるようになりました」と話していました。
アレジオ銀座クリニック 呉孟達院長
呉孟達院長
「ここ数年は多くの人が新型コロナの予防のためマスクを着用していたが、ことしは着用率が下がっているので、花粉症が出ないよう、マスクの着用を心がけるとともに、医療機関を受診し薬を服用するなど、早めに対策をとってほしい」