東京, 11月18日, /AJMEDIA/
政府が日本で生まれ育った在留資格のない外国人の子どもに一定の条件を満たせば日本での滞在を認める「在留特別許可」を与える方針を示したことを受けて、茨城県内に住むスリランカ人の親子に17日、許可が出されました。政府の新たな方針によって許可が出された個別のケースが明らかになるのは初めてとみられます。
日本で生まれ育っていても在留資格がない小学生から高校生の外国人の子どもについて、政府はことし8月、親に国内での重大な犯罪歴がないなどの一定の条件を満たしていれば親子に「在留特別許可」を与え、滞在を認める方針を示していました。
この方針を受けて、茨城県内に住む在留資格のないスリランカ人の7歳と5歳の男の子とその両親に17日、「在留特別許可」が出されたことがわかりました。
許可を受けた親子は両親が2012年に技能実習生として来日し、その後、母国に帰ると政治的な対立で身の危険が及ぶおそれがあるとして難民申請をしていましたが認められず、その途中に在留資格を失っていました。
許可を受けた7歳の長男は「うれしいです。将来の夢は博士なので日本で勉強したいです」と話していました。
また、子どもの母親は「許可をもらえて本当に喜んでいます。子どもの将来の夢をかなえられるように、一生懸命仕事をして日本できちんと生活できるようにしたいです」と話していました。
政府が、ことし8月に新たな方針を示してから、実際に許可が出た個別のケースが明らかになるのは初めてとみられます。
「在留特別許可」が出されたことで、親の就労や健康保険への加入、公立高校への入学などが可能になり、制限が大幅に緩和される見通しです。
子どもへの在留資格付与 条件と対象は
ことし6月の出入国管理法の改正を受けて政府は、在留資格のない子どものうち
▽改正法が施行されるまでに日本で生まれ育った小学生から高校生で、今後も住み続けることを希望していて
▽親に国内での重大な犯罪歴がないなどの一定の条件を満たしていれば
親子に「在留特別許可」を与え、滞在を認める方針を示していました。
全国におよそ200人ほどいる在留資格のない18歳未満の子どものうち、対象となるのは7割から8割とみられ、出入国在留管理庁では、条件を満たすかどうかの確認作業を進めていました。
11月8日の衆議院法務委員会で小泉法務大臣は「在留をすでに許可した家族もいる」と述べましたが、まだ許可が出ていない人の心情に配慮して、途中経過などは明らかにしない考えを示していました。