東京, 5月20日, /AJMEDIA/
古墳時代に朝鮮半島から伝わったとされる国宝「七支刀(しちしとう)」を奈良国立博物館が最新の分析装置で調べた結果、内部はほとんど腐食しておらず、極めて良好な状態が保たれていることがわかりました。博物館は「1600年前の剣としては状態が非常によく、奇跡的だ」としています。
国宝「七支刀」は左右に3本ずつ枝分かれした刃が突き出す独特の形をした鉄の剣で、1600年ほど前の古墳時代に朝鮮半島から当時の日本に伝わったとされています。
奈良県天理市の石上神宮が所蔵していますが、七支刀などを展示する展覧会が開かれるのに合わせて保存状態などを確認しようと、奈良国立博物館がX線を使った最新の分析装置で調査しました。
その結果、内部の腐食はほとんど進んでおらず、古代の鉄製品としては極めて良好な状態が保たれていることが明らかになりました。
剣には文字が刻まれていますが、これまでさびで見えなかった部分が鮮明になったということで、博物館では今後、関係機関と相談したうえで、専門家による委員会を立ち上げ、文字の詳しい分析なども進めたいとしています。
奈良国立博物館の井上洋一 館長は「本当に1600年前の剣なのかと思うほど、状態が非常によく、奇跡的だ。七支刀の実態に迫る研究につながることを期待している」と話しています。
七支刀は6月15日まで奈良国立博物館で開かれている展覧会で公開されています。