東京, 02月01 /AJMEDIA/
新型コロナウイルスに感染した千葉県の23歳の男性が死亡したのは、救急搬送を適切に行わなかったためだとして、男性の両親が国や千葉県などに合わせて1億円余りの賠償を求めている裁判が東京地方裁判所で始まり、男性の父親が「助かる命だったので悔しい」などと述べたのに対し、国や千葉県などは訴えを退けるよう求めました。
2021年8月、千葉県船橋市の基礎疾患があった当時23歳の男性が新型コロナに感染して死亡しました。
両親は繰り返し救急搬送を要請したのに、受け入れ先の病院が決まらないなどと搬送を断られたとして、国と千葉県、船橋市に合わせておよそ1億300万円の賠償を求める訴えを起こしています。
31日、東京地方裁判所で始まった裁判で、男性の父親が意見陳述を行いました。
父親は「息子が治療を受けられず、苦しみながら死へと向かうのを見るのは非常につらく苦しい時間だった。搬送の要請に真摯(しんし)に耳を傾けてもらっていたら助かる命だったので、無念で悔しくてならない」と振り返りました。
そのうえで「息子の代わりに真実を知りたい。救える命を救える国になってほしいという思いで裁判を起こした」と訴えました。
一方、国と千葉県、船橋市はともに訴えを退けるように求め、具体的な主張は今後明らかにするとしました。
両親の弁護士によりますと、新型コロナ患者の救急搬送をめぐって国を訴える裁判は初めてです。