東京, 02月16 /AJMEDIA/
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記の妹、キム・ヨジョン(金与正)氏は「すでに解決された拉致問題を両国関係の障害物としないのであれば、岸田首相がピョンヤンを訪れる日が来るかもしれない」などとする異例の談話を発表しました。
「岸田首相の本心をもう少し見守るべきだ」として、日本側の今後の出方を見極める姿勢を示しています。
岸田総理大臣は、2月9日の国会の衆議院予算委員会で北朝鮮による拉致問題をめぐり「今こそ大胆に現状を変えていかなければならない。さまざまなルートを通じて絶えず働きかけを行っており、結果につなげるよう最大限努力したい」と述べました。
これについて、キム・ジョンウン総書記の妹、キム・ヨジョン氏は15日夜、国営の朝鮮中央通信を通じて談話を発表しました。
談話では「すでに解決された拉致問題を両国関係の障害物としないのであれば、両国が近づけないわけがなく、首相がピョンヤンを訪問する日が来るかもしれない」と指摘しました。
ただ「これまでのところ、わが国の指導部は日本との関係改善のためのいかなる構想も持っておらず、接触にも何の関心もないと理解している」としています。
一方で談話は「岸田首相の本心をもう少し見守るべきだ」として、日本側の今後の出方を見極める姿勢を示し、含みも残している形です。
キム総書記の意向を踏まえてメッセージを発することが多いキム・ヨジョン氏は、今回の談話について「個人的な見解であり、公式に朝日関係を評価する立場にはない」としていますが、日朝関係について談話を発表するのは、極めて異例です。