中国 ナウルとの国交を回復 台湾に圧力かける姿勢を強調

東京, 01月25 /AJMEDIA/

中国は、先週、台湾と断交した南太平洋の島国ナウルとの国交を回復しました。王毅外相は台湾と外交関係をもつ国々に引き続き断交を求め、台湾の民進党政権に圧力をかけていく姿勢を強調しました。

中国の王毅外相とナウルのエニミア外相は24日北京で、両国の国交回復に関する共同声明に署名しました。

このあと会見に臨んだ王外相は「大多数の国が『1つの中国』の原則を受け入れている」としたうえで「台湾は中国の領土の不可分の一部だ」と述べました。

そして、台湾と外交関係をもつ12か国について「国連の決議に違反するとともに中国の主権を侵害しており遅かれ早かれ是正されるべきだ」と主張し、引き続き断交を求めるとともに、「1つの中国」の原則を受け入れない台湾の民進党政権に圧力をかけていく姿勢を強調しました。

ナウルは、1月13日に行われた台湾総統選挙で民進党の頼清徳候補が当選した2日後に台湾との断交を発表していました。

王外相は、断交はナウル政府の自主的な選択だと強調したうえで「ナウルと発展のチャンスを共有したい」と述べ、ナウルへの経済的な支援を示唆しました。

これに対し、エニミア外相は今回の訪問で経済規模が大きい南部の広東省を訪れたことを明らかにしたうえで「中国の経済発展に驚き心を奪われた」と述べ、支援に期待を示しました。

1971年の「アルバニア決議」めぐり攻防
ナウルは、今月15日に台湾との断交を発表した際、理由として「国連総会第2758号決議」に言及しました。

「アルバニア決議」とも呼ばれるこの決議は、1971年の国連総会で採択されたもので、「中華人民共和国が中国の唯一の正統な代表だ」と認めました。

それまで国連で「中国」の議席を占めていたのは台湾を統治していた蒋介石が率いる中華民国で、決議には「蒋介石の代表を追放する」とも記されています。

現在の台湾当局は「決議は国連における中国の代表権を処理しただけで、台湾の代表権を中華人民共和国に与えたわけではない。台湾が中華人民共和国の一部だと言及されてもいない」と強調しています。

これに対し、中国はこの決議を根拠に「台湾は中華人民共和国の一部だという『一つの中国』の原則が国際社会に広く受け入れられている」と主張しています。

近年、有事への懸念や半導体などで台湾が注目される中、中国は各国との外交で「一つの中国」の原則への支持を得る活動を一層強めていて、ナウルが台湾と断交して中国と国交を結ぶ理由としてこの決議に異例の言及を行ったのも、中国が働きかけたためと見られます。

一方、アメリカの代表機関のトップは台湾訪問中の今月16日に開いた記者会見で「決議は台湾の地位についての決定は行っておらず、各国が台湾と外交関係を持つのを妨げていない」と述べ、この決議を根拠に台湾への外交的な圧力を強める中国の動きをけん制しています。

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