東京, 9月8日 /AJMEDIA/
英労働党政府は5日、貴族院(上院)改革法案を提出した。世襲貴族議員を排除することが柱で、時代遅れと言われながらも長年進まなかった改革が実現するか注目される。英メディアが報じた。
貴族院は首相の助言に基づいて君主が任命する一代貴族と、親から爵位を受け継ぐ世襲貴族、聖職者らで構成されている。このため定数はなく、現在の議員数は805人で、「中国の全国人民代表大会(全人代)に次ぐ、世界で2番目に大きな議会」(BBC放送)とされる。身分は終身で、議会に出席するごとに日当を受け取ることができる。
今回排除されるのは、前回の労働党政権時の改革で約800人から92人まで減らした世襲貴族議員。この中には、先祖が1815年のワーテルローの戦いでナポレオン軍を破ったウェリントン公爵らが含まれている。トーマスサイモンズ憲法担当相は「生まれ合わせた境遇によって議会での投票が認められるべきではない」と述べ、改革の正当性を訴えた。
労働党はマニフェストで貴族院改革を掲げており、今後80歳の定年制の導入のほか、将来は選挙による地域代表を選ぶ院への転換を目指す可能性もある。ただ、貴族院が持つ法案修正の役割を評価する声もあるほか、野党・保守党を中心に改革への抵抗も予想される。