ロ・ウクライナ首脳駆け引き 3年ぶり直接協議、和平保証なし

東京, 5月15日, /AJMEDIA/

ロシアとウクライナの直接協議に先立ち、プーチン、ゼレンスキー両大統領は交渉を自国有利に運ぶべく、関係国を巻き込んで駆け引きを演じた。3年ぶりの協議だが、双方の隔たりは大きく、和平に直ちに結び付く保証はない。

 「トルコでプーチン氏を待つ」。30日間の即時停戦を迫っていたウクライナ側。プーチン氏が11日未明の記者会見で、停戦要求をはぐらかすようにイスタンブールでの直接協議を急きょ持ち掛けると、ゼレンスキー氏は返す刀で首脳レベルで行うべきだと逆提案した。

 「プーチン氏は私との協議を恐れている」とも挑発。和平に前向きなふりをして停戦に応じず、解決を先送りしているのはロシアだと批判し、トルコに来ても来なくてもプーチン氏に対する国際的圧力が強まるよう仕向けた。

 これに対し、ロシア側はプーチン氏の参加に関して直前まであえて沈黙。ウクライナ側の「独り相撲」という印象を生み出した上で、中東歴訪中のトランプ米大統領の同席を得られないままゼレンスキー氏がトルコで孤立することを狙った。

 ゼレンスキー氏は首脳会談不発に備え、トルコでは首都アンカラでエルドアン大統領と会うと発表。協議の場を提供するトルコとの連携をアピールし、プーチン氏がイスタンブールにやって来れば、自分は行くと述べた。

 直接協議は、仲介するトランプ氏が双方に促しており、ウクライナ側も拒否は難しい。プーチン政権は相手の足元を見透かした上で、即時停戦から論点をそらして主導権を得ようと協議を呼び掛けたとみられる。西側諸国は追加制裁を先送りして直接協議を見守る方針に軟化し、ロシアがわずかに交渉ペースを取り戻した。

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