東京, 9月30日, /AJMEDIA/
ヤマト運輸は9月30日、全国のホテルや空港などの観光施設を対象に、スマホで送り状を発行できる「簡易伝票発行ツール」の提供を、10月1日から開始すると発表した。10月末までに、全国約300カ所に導入する予定だとしている。
簡易伝票発行ツールの対象商品は、宅急便、空港宅急便。届け先は日本国内に限り、クール宅急便、着払いなどは不可となる。利用者は受付に並ぶ手間がなく、好きな場所やタイミングで、一度に複数枚の送り状の発行手続きができる。
送り先がホテルの場合は、電話番号を入力すると送り先情報が自動で表示される。また送り先が空港の場合は、空港カウンターの一覧から選択可能。専用サイトは日本語と英語に対応しており、外国人のユーザーでもスムーズに利用できるという。
導入施設側は、申し込みから約2週間で利用を開始できる。設置する端末は小型のため、省スペースでの利用が可能だという。専用サイト上で送り状の発行手続きが完結するため、送り状発行に関する受付での案内が省略でき、混雑緩和、受付スタッフの業務負荷軽減につなげられるとしている。
ヤマト運輸によると、訪日観光客の旅行消費額は5兆3065億円と過去最高を記録し、日本における観光需要は増加している。一方で、大きな荷物を持った観光客の増加による混雑や、宿泊施設での荷物の一時預かり、発送業務の増加による受付業務の負担など、多くの問題も発生している。
このような状況において、ヤマト運輸は2023年から、スマホで送り状の発行ができる簡易伝票発行ツールを一部の観光施設に導入し、実用化に向けた検証を行った。検証で得られた成果を踏まえ、今回、全国の観光施設で提供を開始するという。
今後はユーザーのニーズに合わせ、導入場所や対応言語を拡大していく予定。ヤマト運輸は、観光客のより快適な旅行をサポートし、オーバーツーリズムの解消に貢献していくという。