東京, 03月22日 /AJMEDIA/
アメリカの研究チームは腎臓病の患者に遺伝子操作を行ったブタの腎臓を移植し、そのあと、患者が順調に回復していると発表しました。これまで脳死状態の患者へのブタの腎臓移植は行われたことがありましたが、患者の回復を目指した移植は世界で初めてだということです。
これは、アメリカ・ボストンにあるマサチューセッツ総合病院の研究チームが21日、発表しました。
研究チームは、今月16日、62歳の腎臓病の男性患者に、拒絶反応が起きないよう遺伝子操作したブタの腎臓を移植しました。
男性はそのあと、順調に回復しているということで、まもなく退院できる見込みだということです。
研究チームの1人で移植を担当した河合達郎医師は「患者に移植した腎臓が機能し始めたのを見て、手術室にいた全員が拍手した」と話していました。
アメリカでは2021年に脳死状態の患者にブタの腎臓を移植する試みが行われましたが、研究チームによりますと患者の回復を目指してブタの腎臓が移植されたのは世界で初めてだということです。
研究チームは、今回の移植は、より多くの患者が移植を受けられる方法を探る上で、画期的なものになるとしています。
アメリカでは遺伝子操作したブタの臓器を人間に移植できないか、研究が進められていて、おととしには、ほかの治療法で回復が見込めない患者がブタの心臓の移植を受けましたが、およそ2か月後に死亡していました。