東京, 9月26日, /AJMEDIA/
ロシアとドイツを結ぶ海底の天然ガスパイプライン、ノルドストリームで爆発が起きて26日で1年となります。ロシアによるウクライナ侵攻が続く中で起きた爆発について、欧米のメディアは、ウクライナやロシアが関与した可能性など、さまざまな見方を伝えていますが、真相は明らかになっていません。
去年の9月26日、バルト海を経由してロシアからドイツなどヨーロッパへ天然ガスを送る主要パイプライン、ノルドストリームで爆発が起き、海面に大量のガスが漏れ出しました。
ドイツや、現場海域に面したスウェーデンの検察当局などは、爆発物を使った破壊工作と断定して捜査を進めていますが、詳しいことは明らかにしていません。
一方、欧米のメディアは、真相に迫ろうと取材を進め、さまざまな見方を伝えています。
このうち、ドイツの有力誌シュピーゲルは、19人の記者を投入して公共放送ZDFと共同で取材を行い、8月下旬、特集記事を掲載しました。
記事では、ドイツの捜査当局が、ことし1月、犯人グループがパイプラインに爆薬をしかけるために乗ったとされるヨットをドイツ北部の港で見つけて捜索するなど、捜査を進めていると伝えています。
当局は、ウクライナの特殊部隊が関与した疑いがあり、ウクライナ侵攻を続けるロシア側の資金源を断つことが動機だと見ていると報じています。
一方、ノルウェーの公共放送NRKなど、北欧4か国のメディアは、ことし5月、船の交信の情報などをもとに、爆発の数日前に、現場海域で潜水活動を支援するロシア海軍の船舶がいたことがわかったと報じるなど、ロシアが関与した可能性があるとの見方を伝えています。
また、調査報道を手がけるアメリカのジャーナリストはアメリカ政府の関与を指摘しています。
こうした報道に対して、ウクライナ、ロシア、アメリカの政府は、それぞれ関与を否定しています。
ドイツ政府の報道官は25日「誰がやったかを巡る報道にはコメントしない」と述べるなど爆発が起きて1年になるいまも真相は明らかになっていません。