スマートウォッチより小さく安い、最大21日充電いらずのシャオミ「Smart Band 9」レビュー

東京, 5月6日, /AJMEDIA/

 スマートウォッチの機能はもれなく欲しいが、存在感のある大きな文字盤が苦手だという人は、スマートバンドを検討してはどうだろう。小米科技(シャオミ)の人気フィットネスバンド「Smart Band」の第9世代は新機能を豊富に搭載し、小さくて軽いという点を除けば、多機能なスマートウォッチとほとんど変わらない。価格は税込5480円。

 シャオミの「Smart Band 9」は、スリムな文字盤と1.62インチの明るい有機ELディスプレイを備えたコンパクトなデザインが魅力のスマートバンドだ。スマートウォッチと同等の健康指標をトラッキングできる上にバッテリーの持ちがきわめて良い。

 公式情報によれば、1回の充電で最大21日間持つという。もちろんトラッキングする指標が多くなればバッテリーの減りも早くなるが、それでもバッテリーの持ちがいいことに変わりはない。テストではすべての機能を有効化し、終日モニタリングする設定にしてみたが、充電なしで1週間以上連続して使うことができた。

 では、Smart Band 9と一般的なスマートウォッチはどう違うのか。正直なところ、両者の境界線はあいまいだ。Smart Band 9はスマートウォッチの基本機能はすべて備えているが、高価格帯のスマートウォッチに搭載されているような生活の質を高めるタイプの機能や、パーソナライズされた高度な分析機能はない。シャオミはスマートウォッチも作っているため、機能面の線引きは当然ある。

 とはいえ、Smart Band 9は基本機能をしっかりと押さえており、たいていの身体活動は正確にトラッキングできる。50種類以上のスポーツモードに対応し、心拍数、血中酸素濃度、ストレスといった指標はもちろん、睡眠のモニタリングも可能だ。スマートフォンとペアリングすれば、メールやSMS、電話の着信通知といった便利な機能も利用できる。ただしGPSは搭載しておらず、マイクやスピーカーもない。

 高価格帯のスマートウォッチなら自動で認識するような設定も、手動で調整する必要がある。初期状態では、多くの指標が終日のトラッキングは無効となっているため、フル活用したいなら必要な機能は自分自身で有効にする必要がある。

 Smart Band 9をフル活用するには、AndroidまたはiOS版の「Mi Fitness」アプリと連携させたい。このアプリはシンプルで、必要なデータを過不足なく提供してくれる。前述したような指標はすべてアプリで確認でき、UIもすっきりとしていて使いやすい。

 Smart Band 9は、Mi Fitnessの3色の虹のようなデザインを使って、その日のトラッキングデータを視覚的に表示する。3色はそれぞれ1日の消費カロリー、歩数、運動時間を表し、ユーザーが活動し、目標に向かって進捗するにつれて、虹が完成していく。同じような仕組みはどのウェアラブル製品も搭載しているが、個人的にはMi Fitnessの見せ方はすっきりとしていると感じた。

 実際、Mi Fitnessはフィットネスの用語に詳しくない人や初心者でもとっつきやすいアプリだ。表示されるデータの量はほどよく、大量の数字や指標に圧倒される心配はない。そのため、子供やティーンでも使いやすいだろう。

 シャオミによれば、Smart Band 9のセンサーはトラッキング精度が前モデルより16%向上しているという。ただし体感では、特に複雑な測定基準の場合は精度が落ちることがあると感じた。例えば睡眠の途中で目が覚めた時は、たとえベッドから出ても検知されないようだ。

 とはいえスマートウォッチと同じように睡眠をトラッキングでき、睡眠ステージごとの時間、平均心拍数、血中酸素濃度、呼吸数などのデータも確認できる(ただし事前にトラッキングを有効にしておくこと)。薄くて軽いため、睡眠中も気にならない。大きいスマートウォッチを付けたまま寝ると違和感があるという人には良い選択肢となるだろう。

 Smart Band 9は、「Oura Ring」などの本格的な睡眠トラッカーのような高精度な分析はできないが、基本的な指標をもとに「活力スコア」を出してくれる。活力スコアはMi Fitness独自の総合的な健康指標で、過去7日間のデータと年齢、体重、活動レベルをもとにフィットネスの状態を数値化したものだ。

 シャオミはデータの精度をさらに高めるために、スマートウォッチやスマートバンドと併用できるウェアラブルアクセサリーも用意している。例えば、Smart Band 9用の「ランニングクリップ」はわずか12ドル(日本では税込1280円)だが、シューズに取り付けることでトラッキング精度を高め、詳細なデータを記録できるようになる。ランニングモードに切り替えるだけで、走っている時の足の回転数(ケイデンス)、歩幅、接地時間、着地パターンなどのデータを収集可能だ。

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