ガザ休戦交渉「行き詰まり」 イスラエル、ラファ住宅街に進軍―仲介国

東京, 5月16日 /AJMEDIA/

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止を巡る間接交渉について、仲介役カタールのムハンマド首相兼外相は14日、「現在、ほぼ行き詰まりの状態だ」と述べた。米国などが自制を求めていたにもかかわらず、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ最南部ラファで限定的な地上作戦を開始したことを挙げ、「もちろん、ラファでの出来事で(交渉が)後退した」とイスラエルを批判した。

 ムハンマド氏は「過去数週間で(交渉妥結の)機運は高まったが、物事は正しい方向に進まなかった」と指摘。その上で「いかにして戦闘を休止するか、イスラエル側は明確にしていない」と強調した。

 イスラエルはガザ攻撃の手を緩めておらず、ロイター通信によれば、14日には戦車部隊がラファの住宅街に展開。軍報道官はラファで限定作戦を始めた先週以降に、約100人の戦闘員を殺害したと発表した。グテレス国連事務総長は報道官を通じた声明で「ラファやその周辺でエスカレートするイスラエル軍の作戦に、ショックを受けている」と表明した。

 イスラエルのネタニヤフ首相は15日、米CNBCテレビとのインタビューで、ラファへの本格侵攻について、「(米国と)意見が食い違っているが、すべきことをする」と改めて強硬姿勢を示した。

 米高官はAFP通信の取材に、休戦交渉が再び軌道に乗るのは「ハマスがイスラエルの提案に歩み寄ったときだ」と説明。交渉でハマスがイスラエルの立場に近づけば、ラファでの軍の活動が抑制されるとも述べ、行き詰まりの打開にはハマスの妥協が必要だとの認識を示した。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は14日、ラファからの避難民が6日以降だけで45万人近くに達したと明らかにした。戦闘が再燃した北部でも10万人が避難したという。また、南部ハンユニスのインフラが完全に破壊され、「水も電気も下水設備もない」と窮状を訴えた。

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