東京, 7月16日 /AJMEDIA/
サムスンが発表した最新スマートフォン「Galaxy Z Fold6」。このブック型折りたたみスマートフォンの最大のポイントは、折りたためない一般的なスマートフォンの使い勝手にぐっと近づいたことだ。7月10日の新製品発表会「Unpacked」で発表されたGalaxy Z Fold6は、前世代よりもカバーディスプレイが大きくなり、全体に軽量化された。どちらもささいな変化に思えるかもしれないが、折りたたみスマートフォンの取り回しの悪さを改善し、自然な使用感を実現する上で大きな役割を果たすはずだ。
しかし、こうした進化はプロセッサーのアップグレードやソフトウェアの改良、強力な超広角カメラの搭載と併せて、価格に反映された。Galaxy Z Fold6は最小構成でも1900ドル(日本では税込24万9800円)となり、2023年発売の「Galaxy Z Fold5」よりも100ドル高くなった。Galaxy Z Fold6は、新しい縦折り型スマートフォン「Galaxy Z Flip6」と併せて、7月10日から予約受付を開始し、7月24日から一般発売される(日本では7月17日からSIMフリーモデルの予約注文が可能で、31日に発売予定)。
Galaxy Z Fold6とGalaxy Z Flip6を通じて、サムスンが達成しようとしている目標は2つある。1つは、折りたためることで犠牲になる機能を減らし、折りたたみスマートフォンをできる限り一般的なスマートフォンの使い勝手に近づけること、もう1つは、生成AIを活用すればスマートフォンをより直感的に使えるようになると証明することだ。どちらの目標も重要だ。なぜなら折りたたみスマートフォンはスマートフォン全体の出荷台数のごく一部を占めるにすぎず、しかもサムスンは最近、世界最大の折りたたみスマートフォンメーカーの座を中国の華為技術(ファーウェイ)に奪われたからだ。2022年後半に「ChatGPT」が登場し、人々の心を捉えて以来、テクノロジー業界では生成AIブームが巻き起こり、サムスンをはじめ大手ハイテク企業はAIの活用を迫られている。
この2つの目標が達成されているかどうかは、Galaxy Z Fold6とGalaxy Z Flip6を長期間使ってみなければ分からない。しかし現時点の印象では、サムスンが加えたデザイン変更はGalaxy Z Foldシリーズが有望な方向に進んでいることを示している。しかし個人的には、従来型のスマートフォンとの違いをもっとはっきりと感じられるような独創的な変化がソフトウェア面で起きることを期待したい。