「ゆっくり着実に」進化する自動運転車–さらなる普及に必要なこと

東京, 1月20日, /AJMEDIA/

テクノロジーバブルの内側にいる人、それこそサンフランシスコのベイエリアにいて最新の技術を当たり前に感じている人でもない限り、筆者が自動運転車の話をすると、大抵は「本当に実現すると思う?」という反応が返ってくる。筆者の回答はこうだ。「もう実現している」

例えばWaymoは、ベイエリアの一部をはじめとする少数の都市で、24時間365日営業のロボットタクシーを運行させている。ここでは、どこを見ても自動運転車が走っているという感じで、驚いた観光客がスマートフォンを取り出して動画を撮っていたりする。個人的には、何か用事があるときでも友だちに会いにいくときでも、ロボタクシーを拾うことは日常になっていて、筆者にとってはもう珍しい光景ではなくなった。

 だが、それと同時に、Waymoなどの自動運転車企業が限定的にしか展開していない現状を見ると、スペキュレイティブ・フィクション作家のWilliam Gibson氏の言葉も思い出される。「未来はもうここにある。均等に広まっていないだけだ」

 自動運転車といえば、SFでは古くからの定番だったが、今や確かな現実として普及しつつある。とはいえ、その歩みはゆるやかだ。最近ではAlphabet傘下のWaymoやAmazon傘下のZooxといった企業が展開を拡大しつつあるが、自動運転車開発の道は長く、見通しも悪い。あまりの険しさに、大手のAppleでさえ自動運転車への取り組みを中止したとされる。General Motors(GM)は計画を軌道修正しており、2024年12月はじめ、ロボタクシーを扱う傘下のベンチャー企業Cruiseへの資金提供を停止し、個人向けの自動運転車に注力すると発表している。

 こうした方向転換の例を見ても、自動運転技術の開発と規模拡大は容易でないことが分かる。膨大な費用がかかり、競争も厳しいうえに、当然ながら規制に関する障壁も少なくない。

 それでも、自動運転を手がける企業各社は、2025年に着々と前進し続けるようだ。Waymoは、Uberとの提携を通じてジョージア州アトランタとテキサス州オースティンへサービスを拡大することを計画しており、海外初となるテストを東京で始めようとしている。Zooxは、ラスベガスを皮切りとして一般利用者への開放を目指す。また、スタートアップ企業のAvrideは、自動運転車とデリバリーロボットの展開を目的として、同じくUberと提携しており、2025年にはダラスでロボタクシーの運用を開始したい意向だ。Lyftも、May Mobilityなどの自動運転車企業と提携し、トヨタの自動運転化された「シエナ」を使って2025年からアトランタで一般利用を開始しようとしている。

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