東京, 11月02日, /AJMEDIA/
「よさこい節」にも歌われる、高知市の観光名所「はりまや橋」。
不名誉ながら「日本三大がっかり名所」のひとつとして知られています。
ここに最近、あるキャラクターが現れて、はりまや橋を盛り上げているのをご存じでしょうか。
もう“がっかり”と呼ばせないと奮闘する姿を追いました。
【動画】40秒でわかる「はりま」と「やばし」
特集を40秒の動画でまとめています。
以下では「はりま」と「やばし」のエピソードを詳しくお伝えします。
「日本三大がっかり名所」って?
高知市の「はりまや橋」です。
観光名所として知られています。
その情景は「よさこい節」にも歌われています。
よさこい節
「土佐の高知のはりまや橋で 坊さんかんざし買うを見た」
しかし、実際に訪れた観光客の反応は…。
訪れた観光客
「ちっちゃいのでがっかりしました」
「いい橋ですよ、がっかりの」
”救世主”登場!?
「がっかりを返上したい」
そんな思いを抱く人たちは少なくありませんでした。
そこに最近、“救世主”のごとく現れたのが…
「はりま」と「やばし」と呼ばれるこのキャラクター。
橋の欄干の双子の妖精です。
はりまや橋に出没します。
「世界平和」を掲げています。
「はりま」と「やばし」
「僕たちはがっかりを返上したい、来て楽しんでもらいたい、あそこに行ったらおもしろかったよと言われたい、その一心で生まれました、はりまとやばしです」
なぜこんな顔に…?
いったい、なぜこんな顔をしているのか。
「ちっちゃいのでがっかり」
「がっかりの橋」
「日本三大がっかり名所」
”がっかり”と言われ続けた、はりまや橋。
そのせいで、はりまとやばしは、恐ろしい顔になってしまったそうです。
いったい何者?9年間の構想の果てに…
「はりまとやばし」の生みの親。
高知市でカフェを営む下尾仁さんです。
訪れると、一枚の絵を見せてくれました。
「この絵なんですけど。9年くらい前に描いたいちばん最初の構想ですね、はりまとやばしの」
なんと、構想は9年も前だというのです。
「がっかりを返上するにはどうすればよいか」
その思いがずっと頭の片隅にあった下尾さん。
友人が「やばし」役を引き受けてくれるというので、イラストが現実になったのです。
「やばし」役の岡上雄也さんが、当時を振り返ってくれました。
岡上雄也さん
「これ断る理由がないでしょうと思って、どうせならもうマイナスを逆手にとって、ポジティブに考えてがっかり返上させてやるぞーといったら、おもしろいじゃないですか。そんな役をやらせてくれている、めちゃくちゃ光栄なことですよ」
顔に魂を吹き込みたい
はりまや橋に出没する「はりま」と「やばし」。
集まってきた人たちを笑顔にしています。
今では2人目当てのファンもやってくるようになりました。
人気が高まり、2人は県内のイベントにも呼ばれるようになりました。
より動き回れるようになりたい。
下尾さんと岡上さんは、これまでより軽い「はりま」と「やばし」の新しい頭作りに取り掛かりました。
使うのは、車や船などにも使われる素材「繊維強化プラスチック」です。
はじめて触れる素材ですが、ゼロから、自分たちで作ることにこだわります。
互いに仕事の合間をぬっての制作は、およそ2か月に及びました。
「手作りしようと思ったのは、なぜですか?」
尋ねると、こんな答えが。
「自分で魂を吹き込みたいじゃないですか」
「愛着度が増しますからね、自分の使うものを、命が吹き込まれてきゆう感じですね」
ついに、新しい頭が完成しました。
この日、2人がやってきたのは高知空港。
完成したばかりの頭を装着します。
かぶった感想は?
「OKOK、いけるいける!めっちゃ軽い!やれるでなんでも!」
「昔からかぶりよったみたいにナイスフィット感!」
「しばてん踊り」を軽快に
軽量化した頭で初めて臨むのは…。
高知の宴会で歌い継がれている名物「しばてん踊り」のステージです。
「ほーれてね通うたね」
「はりまや橋でネートチャッチャッ」
あまり知られていませんが、この民謡の中にも登場する「はりまや橋」。
誰よりも軽快に動き回りながら、観光客にはりまや橋をアピールしました。
訪れた人も喜んでいます。
観光客
「がっかり名所がパッと明るくなったような感じがします。高知県内を回ってもらって、ゆくゆくは世界も進出できるように目指してほしいです」
がっかり名所から笑顔の橋へ
「はりま」と「やばし」。
今の夢を語ってくれました。
「はりま」と「やばし」
「僕らのできることは小さいし、この橋も小さいですけど、僕らのできることを精一杯やっていきたいですね、笑顔の橋を架けていきたいです」
「はりま」と「やばし」は不定期で出没し、前日ごろにX(旧ツイッター)でつぶやくということです。